ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

計画とは、未来のキャンバスに引く補助線なのでは?

「真っ白な紙には何も起こらない」というのは、先日参加した「場のシンポジウム2019」で「一階づくりはまちづくり」という講演をした田中元子さんの言葉だ。
「場に何かが起こるためには、適切な補助線を引くことが必要だ」と語ってくれた。

 
計画とは、未来のキャンバスに引く補助線なのではないだろうか?
何も決めずに今に集中するのは、難しい。
 

自分のこれまでの活動を振り返り、その原点を確認し、ワクワクする未来を描き、そのために何をするかを考え、具体的なスケジュールに落としていく。
折に触れてこういうことをするのが、今に集中し、地に足のついた日々を送るために大切なんじゃないかな?
そのために有効な手法がKJ法
ひたち帖もそのためにつくるのかもしれない。

 
朝、こんなことを思いついて、少し自分の中がスッキリした。
 
描くことと今に集中することの関係については、ずっと言葉にしたいと思ってきたことだ。
以下、キーとなると思われる言葉を抜粋しておこう。
 

大きい構成を意識しながら進めることと、直前の場所を見つめながら続きを丁寧につくることは、同時にやるのだけれど厳密にいえばまったく同時というわけではなくて、ふたつのランプを交互にちかちかと点滅させるように取り組んでいると思う。(永田泰大

おおざっぱに言って、一年先のことを考えることが多い。
わかりゃしないよとか言って笑っているけれど、
まるっきりわからないことばかりでもない。

ある程度、よく考えればわかることと、
そういう考えとは別に出遭い続ける偶然と、
流れをどうしていきたいかという意思と、
そこらへんのことが混じり合って、
現実の一年後になるというわけだ。

「よく考えればわかること」を、
しっかりやっておくのはとても大事なことだ。
しかし、それがわかっているだけでは全然足りない。
ナマモノの人間がやっていくのが仕事で、
相手にしているのもナマモノの人間たちである。

おもしろい場所に人は集まるし、
しっかりしてそうなプランを人は信じようとするし、
儲かりそうなところに注目が寄せられるし、
育ちそうな人びとに応援がついてくる。
そして、たのしそうにやってないと呼吸が止まる。

一年前にも、一年後のことを考えていた。
一年前に考えていたことは、とてもうまく動いてくれた。
スポーツで例えるなら、チームづくりに関わることが
いちばん大事な課題だと思っていたけれど、
それを進めるには、運の要素がとても多い。
そして、あせってはいけないと覚悟もしていたので、
平熱のままで進む一年後を想像していた。
しかし、ありがたいことに運はよかったし、
ぼくらはある意味で魅力的な動きもできていた。
あせらなくとも、ちゃんとメンバーはそろってきた。
前からいる乗組員たちは、強さを増しているし、
新しく加わった乗組員は、新鮮な目で前を見て
「夢に手足を」つけられる人たちだ。

このチームが、苗木くらいまで伸びてきた新事業を、
林や森につくりあげていく、それが次の1年だろう。
具体的なあれこれをちゃんと言えないままだけれど、
ここからの1年で、おいおい見えてくると思うよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
日記に書くようなことを、そのままここに書いてしまった。
糸井重里

主に、じぶんに向けて書きます。

はじめなきゃ、はじまらない。
おもしろいだとか、ノッてきただとか、
そういう快感は、はじめる前にはありえない。
いやでもなんでも、はじめたら、なにかがはじまる。
つまり、まずは「はじめなきゃなにも」である。

はじめるためには、どういうときがいいか。
無我夢中ではじめてしまって、
すぐに頭を打って中止ということもあるだろう。
はじめるにはときというものがある。
急いでいいことなど、なにもない。
上の5行は、実は、「よくあるまちがい」である。
これを、先に考えすぎると、いつまでも走り出せない。

いつはじめるかについての、その「いつ」が、
いまではないとしても、
それでも、いまできることがあるはずだ。
さらにいえば、いまできることがなんなのかを、
探りはじめることなら、いまからはじめられる。
タイミングを見ているという場合でも、
いまできることはちゃんとある。

「それはなんなのだ?」ということを考える。
「それがなんになるのだ?」についても考える。
まず風呂に入ろうでも、机の上を整理しようでもない。
環境を整えて、そこから気持ちよくはじめる
なんてことは、やっちゃいけない。
「はじめるの、はじめは、考えるである」。

歩きながら考えるのなら、いま歩きだすことだ。
紙とペンを目の前に置くのは、とてもいいことだ。
平気で、まちがったことを考えはじめればいい。 
「いまでしょ!」の「いま」は、
「いまごろ」じゃなく、ほんとの「いま」だ。
利口ぶるな、アホのまま、アホの考えを「いま」、だ。

どれをはじめるのか、それだけを選んで、
いま、はじめよう。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
軽くはじめて、しつこくねばって、気持ちよく続けよう。
糸井重里

結果が、最初の思惑通りにならなくても、
そこで過ごした時間は確実に存在する。
そして最後に意味をもつのは、
結果ではなく、
過ごしてしまった、かけがえのないその時間である。
星野道夫

人間はべつに誰からたのまれなくても、いわば自分の好きで、いろんな目標を立てるが、ほんとうをいうと、その目標が到達されるかどうかは、真の問題ではないのではないか。ただそういう生の構造のなかで歩いていることそのことが必要なのではないだろうか。
(『生きがいについて』神谷美恵子、p.28)

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

地域エキスパートになるための4つの問い

茨城県県北生涯学習センターで2020年1月〜3月に開催される「県北を発信しよう!地域エキスパート養成講座~出会い・対話篇~」の進め方をコーディネーターとして考えています。
指定事業 - 茨城県県北生涯学習センターホームページ

講座の場を、講師から参加者への一方的な上位下逹的情報伝達の場にしない。
(『「〜しなさい」と言わない教育』平井雷太・加藤哲夫、p.172)

「~しなさい」と言わない教育

そのために、以下の4つの問いを講師も参加者もまずは自分で考えて言葉にし、その言葉を持ち寄り、みんなで考えるような組み立てにしていくのがいいかな?

(1) あなたはなぜ地域に関わろうと思っているのですか?
(2) あなたはこれまで地域で何をやってきましたか?
(3) あなたは県北地域がどうなっていくといいな、と思っていますか?
(4) あなたはそのために地域で何ができそうですか?

KJ法のW型問題解決モデルでいうと、(1)が問題提起、(2)が現状把握、(3)が本質追求と構想計画、(4)が具体策と手順化ということになるのかな?

W型問題解決モデル
W型問題解決モデル

この4つの問いをベースに講座全体を組み立てていこうと思っています。

生きたノウハウは、一緒に仕事をすることで開示され、学べる

本づくり協会会報誌BOOK ARTS AND CRAFTS VOL.4の特集「『本をつくる』を、つくる」の制作に本づくり協会出版部の一員として参加しました。
misuzudo.shop13.makeshop.jp
その「編集後記」を本づく協会のメールマガジンで制作メンバーでリレー形式で書いています。
私の番が回ってきたので、以下のような文章を送りました。

会報誌『Book Arts and Crafts vol.4』の巻頭特集「『本をつくる』を、つくる」では、ライターとして取材・原稿執筆を担当しました。
私の場合、本づくりは独学です。一人で企画・編集・原稿執筆・編集・制作・発行までやってきたので、なんとなく自分のやり方に自信が持てずにいます。出版部会で会報誌の特集を担当するという話が出た時に参加しようと思ったのは、商業出版をされている方の本づくりはどんな形でなされているのかを体感するチャンスだと思ったからでした。
2/28の特集制作チームのキックオフミーティングから企画がスタートし、取材、テープ起こし、原稿作成、校正と6月末の入稿までタイトなスケジュールで制作が進行していきました。
一番驚いたのは、書き上げた原稿を確認していただいた永岡綾さんや山口桂子さんの校正の量と質でした。
これがプロの仕事か!と自分の中途半端さに落ち込むこともありました。
でも、なんとか無事自分の務めを果たせ、素晴らしい特集が完成してホッとしています。
生きたノウハウは、一緒に仕事をすることで開示され、学べる。
そのことを体感した4ヶ月間でした。

場のシンポジウム2019の感想

昨日参加した「場のシンポジウム2019」の感想をFBのコメントで企画者の友人に送ったものをここに転載しておきます。
「場のシンポジウム 2019」開催します - 場の研究所 ホームページ

記録班の方々が素敵な写真をたくさん撮ってくださっていると思いますが、とりあえず1枚。
ヤシボンの司会するたたずまい、よかったです。
 
今日は、あの後、吉祥寺に行って「夏葉社の10年展」を観に行ったのですが、夏葉社の目録のあとがきに書かれている以下の文章を読んで、シンポジウムに参加しながらこんな感じだったなと思いました。
 
「本を読んでいるあいだ、人は何かについて、ずっと考えています。それはそこに書いてあることというよりも、もっと個人的なこと、あるいはうまく言葉にもできないような抽象的なこと、たとえば、どう生きていけばいいのだろうとか、どうすればもっといい世の中になるのだろう。とか、そういうことをページをめくりながら、つらつらと考えているように思います。
大きな問題にぶつかったとき、必要なのは、知恵でも、実行力でも、空気を読む力でもありません。長い間考え、取り組むということに尽きると思います。本はそういう力を与えてくれます」
 
清水さんや田中さん、松田さんのお話を聴きながら、自分は自分の現場で何をやろうかということを考えていました。
 
私にとって「居場所をつくる」というのはメインテーマで、そのメインテーマの上に「ひたち帖」「考えを深める会」「耳と聲プロジェクト」の3つの活動があります。
今回のシンポジウムで清水先生が提案されている「居場所とは、<いのち>のオアシスである」という考え方は、自分の活動を言語化する上でとても大きなヒントになりそうです。
 
今日のシンポジウムに参加していた時の感覚は、いい本を読んでいる時の感覚に近かったです。
 
そんな場を作ってくれて、ほんとありがとう!
 
清水さんや田中さんの本を読みながら、自分なりに考え、自分の現場で「生きていこう」と思いました。
 
居場所というテーマでまたゆっくりお話しできると嬉しいです。
 
最後に、ヤシボンの問いかけ「あなたにとっての<いのち>のオアシスというのはどんな場所ですか?」を受けて私が書き出した言葉を転記しておきます。
 
・自分が自分らしくいられる場所
・ほっと息がつける場所
・リラックスできる場所
・自然体で居られる場所
 
きく暇も"<いのち>のオアシス"なんだと思います。
またよい折、参加したいな。
 
それでは、おやすみなさい。

本の持つ力「夏葉社の10年展」を訪れて感じたこと

茗荷谷で「場のシンポジウム2019」に参加した後、吉祥寺に移動し、「夏葉社の10年展」を観てきた。


島田さんは、10年間で34冊の本を出されたんですね。
そのうち私は、今日購入した『ふたりっ子ばんざい』を入れて10冊の本を買っていました。
読み切った本は少ないのですが。

夏葉社の本は、そのたたずまいを見て、島田さんの顔を思い浮かべると、なぜか全部買いたくなります。
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いただいた目録の島田さんの書かれたあとがきの文章がしみじみよかった。

本を読んでいるあいだ、人は何かについて、ずっと考えています。それはそこに書いてあることというよりも、もっと個人的なこと、あるいはうまく言葉にもできないような抽象的なこと、たとえば、どう生きていけばいいのだろうとか、どうすればもっといい世の中になるのだろう。とか、そういうことをページをめくりながら、つらつらと考えているように思います。
大きな問題にぶつかったとき、必要なのは、知恵でも、実行力でも、空気を読む力でもありません。長い間考え、取り組むということに尽きると思います。本はそういう力を与えてくれます。

いい本というのは、ほんとそういう力があります。
だから自分は本を読むんだというところの機微を素敵に言葉にしていただいた感じです。
どんどんいい本を読みたくなりました。
 
次の10年も、島田さんは素敵な本を出し続けてくださるに違いない。
それをリアルタイムに見守っていけるのが楽しみです。

居場所って何だろう?

明日は、「場のシンポジウム2019」に参加するため、上京します。
www.banokenkyujo.org
テーマは、「<いのち>のオアシス〜生きにくい社会の形を底辺から変えていく〜」
私にとってとても大切なキーワード「居場所」がテーマであり、友人の小林さんが企画に関わり対話の司会をすると聴いて参加することにしました。
 
このブログの説明文は以下のような文面です。

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴りたいと思います。

「まちづくり」という言葉になんとなく抵抗感があり、「#居場所をつくる」というハッシュタグTwitterに投稿し続けてきました。(投稿数は855)
twilog.org
 
また、このブログの「居場所をつくる」というカテゴリーでの投稿も61あります。
munaken.hatenablog.jp
 
それだけ大切にしている言葉であるのに、そう言えば「居場所ってなんだろう?」というテーマでじっくりと考えたことはありません。
これを機にしっかりと考え、言葉にしていきたいと思っています。

まちの居場所

午後、コーヒー豆を買いにただいまコーヒーへ歩いて行った。
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今月のコーヒーをテラス席で飲みながら作業。
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ちょっと気晴らしに歩いて行って、コーヒーを飲みながら作業ができるのはありがたい。
ホットコーヒー300円、アイスコーヒー350円。
食べ物の持ち込み可なので、今度行きがけにおてんとさんでパンを買ってコーヒーを頼み、テラスでランチというのを試してみたい。
ウイーンのソフトクリームとの組み合わせもよさそう。
 
13日のランチミーティングの下見に市役所のカフェにも行ってみた。
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コーヒーがリーズナブルな値段でおいしい!
(市役所ブレンド150円、サザブレンド200円)
外のテラスでランチミーティングがいいかな。
 
私は、家が好きで、家で一人で家事をしながら作業をするのが一番落ち着く。
だけど、やっぱり一人で作業をしていると行き詰まる時もある。
なので、外で作業をしたり、ちょっとお話しできたりするところがあるのは、ありがたい。
ただいまコーヒーのテラスは、そんな場所のひとつになりそうだ。

考えや思いは口に出すこと、
聞いてもらうことで変化する
糸井重里

ほぼ日刊イトイ新聞 - 東日本大震災のこと。
 
ちょっとした会話がきっかけで一歩前に進めるということは、確かにあるよね。