ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

切実かつほどよい大きさのテーマを定める

KJ法で図解を作成する際には、テーマ設定が決定的に重要だ。
わたしは「切実かつほどよい大きさのテーマにしてください」と伝えている。
図解を作るのは、自分が今置かれている現実を一歩前に進めるためだ。
現実を変えるために明らかにすべきことを言語化する。
それがテーマ設定である。
 
テーマは、自分事の切実なものでなければならない。
「ほどよい」というのは、しっかりと取り組めば明らかにすることができるという予感の持てる大きさのテーマにするということ。
例えば、わたしはサブフォーランナーではあるけれど、サブスリーを目指すのは現実的ではない。
サブ3.5なら、しっかりと練習を積み重ねられれば、可能なように思う。
なので、わたしにとってほどよい目標は、サブ3.5ということになる。
 
テーマ設定は、問題解決のためのツボを見つけるようなものとも言える。
そのツボに鍼を刺せば、こんがらがった問題がスラリとほどけ解決に向かうようなツボ。
そんなツボの場所を言語化して、明確にできるといい。

 
今回図解を作成するにあたり、今の自分を「灯台のように未来を照らし、常に立ち戻れる原点になるような図解」と考え、テーマを「60代を充実させ、悔いなく一生を全うするために今やるべきことは?」とした。
 
わたしの場合、今後10年でやるべきことはわりとハッキリしている。
メディアクラフトの今の活動の柱である「考えをまとめるお手伝い」「地域メディアづくり」「耳と聲プロジェクト」を60代もやり続け、しっかりと形にしていくことができれば、仕事面では悔いは残らないだろう。
そして、暮らしの基盤としての「走ること」と「自然菜園」も変わらずやり続けていくだろう。
 
わたしの問題は、「やるべきことはハッキリしているけれど、思うように進まない」ということである。
ある程度調子のいい時期が続いても、パタっとポンコツ化し、動けなくなる。
なぜそうなるかというと、調子のいい時期にやるべきことが進まないから。
やるべきことが進まないと、自分に対する信頼感が失われ、「どうせ自分なんか」という気分になり、自分をどうにかしようという気にならず、自暴自棄になっていく。
仕事も、人間関係も、走ることも、畑もストップし、そこで積み重ねてきたものが崩れる。
わたしの人生は、その繰り返しだったように思う。
 
自分で自分をどうにかしようという気になれば、60年間生きてきて身につけてきたやり方で立て直すことはできる。
問題は、その気にもならないポンコツ化する時期をいかにつくらないかなのだ。
 
これまでは、何かのきっかけで動き出し、朝走り出せさえすれば、立て直すことができた。
しかし、朝走るというルーティンにすると、身体の調子は調えられるけれど、それで満足してしまい、具体的なやるべきことが進まずに日々が過ぎてしまう。
 
7月から8月にかけてポンコツ化していた。
やるべきことは最低限しかやれず、発信も止まり、走れもせず、畑もできなかった。
9/3のKJ法ワークショップの準備を始め、耳と聲打合せに向け、「自然体で生きるためには?」という図解を作れたことで、自分をなんとかしようという気になることができ、ようやく身体を調え、頭がスッキリと働くようになってきた。
 
今回は、あえて朝走ることをしなかった。
朝走ると、これまでの立て直しのやり方になってしまい、また繰り返しになってしまいそうに思ったから。
走ることはせずに立て直すことができたのは、大きい。
しかし、最高体重を更新し続け、そろそろ走らないとやばいとは感じている。
 
川喜田先生は、問題解決のためのひと仕事を「判断→決断→執行」というプロセスに分け、判断部分を「問題提起→現状把握→本質追求」の3つに分け、執行部分を「構想計画→具体策→手順化」の3つに分けた。
合わせて6つのプロセスを配置したW型問題解決モデルを提示した。

KJ法で図解を作る際には、自分がどのプロセスを今やろうとしているかを意識することが重要だ。
わたしが今回図解を作るに当たって、自分の問題を明らかにし(問題提起)、自分が問題が発生する場合にどんな行動をとっているかを把握し(現状把握)、何が問題の本質を意識して(本質追求)、その問題を解決するためにもっとも適切なテーマは何か?(構想計画と具体策)ということでテーマ設定をしている。

意識しているかしていないかに関わらず、ひとが問題を解決しようとするとき、このプロセスをたどっているのだと思う。
KJ法のW型問題解決モデルを頭に置くことで、無意識でやっていたことを意識化してやれるようになる。
場面を切り替え、今やるべきことに集中しやすくなるという効果があるのではないか?と感じています。