ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

居場所の意味とつくるプロセスを言語化したい

今、この本を読み進めている。
先日の場のシンポジウムで購入し、清水博さんにサインをしていただいた本だ。
f:id:munakata_kenken:20190910033534j:plain
私にとって、とても大切な本になる予感がしている。
 
清水さんは、現在87歳。
場の研究所を主宰し、居場所の哲学を研究している。
私にとって「居場所」というのは、とても大切なキーワードだ。
私のメインテーマは「居場所をつくる」ことだと言ってもいい。
ひたち帖や考えを深める会、耳と聲プロジェクトの活動は、そのベースの上にある。
 
この本を読むことで、居場所の意味とそれをどうつくるかを言語化するヒントが得られるのでは?
と期待している。
 
清水さんの場の研究会や哲学カフェにもできるだけ顔を出し、自分の考えたことを聴いていただき、しっかりと自分のベースを固めていきたいと思っている。

ワークショップ「自分の喜びのコアを見つけよう!」

8年前の9/18、宇都宮で開催された「自分の喜びのコアを見つけよう!」というワークショップのファシリテーターを務めました。
友人のキクアツが主催したワークショップです。
f:id:munakata_kenken:20110918150514j:plain
f:id:munakata_kenken:20110918104404j:plain
f:id:munakata_kenken:20110918152647j:plain

キクアツとは、その年の6月末から開催された、西村佳哲さん主催の女神山での5泊6日のインタビューのワークショップで知り合いました。
https://www.livingworld.net/interview_takata/

思えば、そのワークショップには、キクアツをはじめ、ヤシボンも、ゲンちゃんも、ナーミーも参加してくれていたんですよね。
 
さて、その手順をSNSに投稿していたので、転載しておきます。

18日に宇都宮で開催される「自分の喜びのコアを見つけよう!」ワークショップのファシリテーターを務める。

「早朝、海まで走っていって、海から昇る太陽を眺める時間が好きだ」というような、自分が喜びを感じる場面を切り出してラベル化し、KJ法で組み立てていく中で自分の喜びの核を見い出そうという試み。

午前中の1時間半で自己紹介、やり方の説明、自分が喜びを感じるシーンを思い出してラベル化し、ピックアップするところまでやりたい。昼食時にそれを味わい、午後の2時間半でまとめつつ自分を掘り下げ、お互いの喜びの核を発表し合、感想を述べ合って終わりという流れかな。

2時間でどれくらいの枚数のラベルなら無理なくまとめられるかが進め方のポイントだ。似ているラベルをまとめ、表札を付けるという要約の作業を2段階はしたい。そのためには、24枚くらいの元ラベルが適当か?でも、初めてKJ法をやる人が24枚のラベルを2時間でまとめられるか?事前に要検証。

ワークショップという場で、ふだんなかなかできない自分と対話し、掘り下げていく作業をするのもおもしろいのでは?18日のワークショップは3日間のワークショップの中の2日めのプログラム。一日単位でも申し込めます。

「自分が好きな場所・コト・人を、身近な場所にどれぐらい持っているか?どれくらいそれに気づいているか? がなにより大切な気がしてきた」(『いま、地方で生きるということ』p.157)という西村さんの感覚にも通じるワークショップだと思います。

「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならないのです」(『市民の日本語』)という加藤哲夫さんの言葉がずっと頭の中に響いています。KJ法というのは、自分の力になる言葉を自分の力で産み出すのにとても有効なツールだと思います。

自分の原点を確認しておくというのは、とても大切なこと。
このワークショップの流れは、今でも使えるのでは?

週末定例10km走は、一週間の区切りの時間

f:id:munakata_kenken:20190913053650j:plain
今週末もここに座って海を眺め、波音を聞き、風に吹かれることができた。
一週間の区切りの時間。
昨日は、この海辺にあるうのしまヴィラで原田さんと「大煙突とさくら100年レジェンドプロジェクト」のことなど、いろいろと話せ、ひたちのワクワクする未来を予感することができた。
原田さんと佐々木ひとみさんをつなげることができたことも嬉しい❗️
この出会いに花が咲き、すてきな実がつきますように❗️
今日は、高原のまちあるきとガイドブックづくりのためのランチミーティング
そして、その後、里美に岡崎さんに会いに行く。
いろんなところでワクワクする未来が始まりつつあります。

図解001【こうして仕事にやりがいが感じられなくなっていく】

1987年にKJ法を本格的に使い始めてからもう32年が経つ。
KJ法は、私にとって対話のツールとして始まった。
そして、その可能性を追求するために、「図解を作りながら考えを深める会」を始めた。
munaken.hatenablog.jp

「図解を作りながら考えを深める会」は、なかなか再開できずにいるが、代わりに「図解を作りながら考えを深める会」のページ上でこの32年間作ってきた何百枚もの図解の一部を紹介することで、KJ法の持つ可能性の一端を感じていただきたいと思い、連載を始めることとする。
セキュリティチェックが必要です
 
1枚目の図解は、2004年8月21日に作成した「こうして仕事にやりがいが感じられなくなっていく」という図解だ。
f:id:munakata_kenken:20040821145913j:plain

2004年の夏、友人からの依頼で京都でKJ法を使ったワークショップをやることになった。
そのプリテストをやりたいということで、札幌時代に私たちがやっていた円山裏参道のまちづくり活動の研究で修士論文を書き、東京の都市計画事務所に就職していた野渕君を誘った。
彼は、用事があって来れず、代わりに会社の後輩の女の子とその友人がわが家にやって来た。(その後輩の女の子が現在の妻である)
「テーマはなんでもいいよ」と言ったら、当時二人とも仕事に行き詰まっていたようで、「こうして仕事にやりがいが感じられなくなっていく」というテーマで話をし、まとめていくこととなった。
この後、このテーマで終わってしまうのはちょっとどうかと思ったので、このテーマを反転させ、それならどうしたらいいのか、というテーマでもう一回まとめの会をやった。
彼女の友人は、それで肚が決まったらしく、辞めてもいい覚悟で職場の上司に掛け合ったところ、自分の希望の職場に移れたそうだ。
その彼が、今、私がかつて暮らしていた八ヶ岳南麓に移住しているというのは、おもしろい偶然。
彼は今、何を考え、何をやろうとしているのか、訪ねて話を聴きたいな!
と昨年から思いつつ、なかなか実現できないでいる。

計画とは、未来のキャンバスに引く補助線なのでは?

「真っ白な紙には何も起こらない」というのは、先日参加した「場のシンポジウム2019」で「一階づくりはまちづくり」という講演をした田中元子さんの言葉だ。
「場に何かが起こるためには、適切な補助線を引くことが必要だ」と語ってくれた。

 
計画とは、未来のキャンバスに引く補助線なのではないだろうか?
何も決めずに今に集中するのは、難しい。
 

自分のこれまでの活動を振り返り、その原点を確認し、ワクワクする未来を描き、そのために何をするかを考え、具体的なスケジュールに落としていく。
折に触れてこういうことをするのが、今に集中し、地に足のついた日々を送るために大切なんじゃないかな?
そのために有効な手法がKJ法
ひたち帖もそのためにつくるのかもしれない。

 
朝、こんなことを思いついて、少し自分の中がスッキリした。
 
描くことと今に集中することの関係については、ずっと言葉にしたいと思ってきたことだ。
以下、キーとなると思われる言葉を抜粋しておこう。
 

大きい構成を意識しながら進めることと、直前の場所を見つめながら続きを丁寧につくることは、同時にやるのだけれど厳密にいえばまったく同時というわけではなくて、ふたつのランプを交互にちかちかと点滅させるように取り組んでいると思う。(永田泰大

おおざっぱに言って、一年先のことを考えることが多い。
わかりゃしないよとか言って笑っているけれど、
まるっきりわからないことばかりでもない。

ある程度、よく考えればわかることと、
そういう考えとは別に出遭い続ける偶然と、
流れをどうしていきたいかという意思と、
そこらへんのことが混じり合って、
現実の一年後になるというわけだ。

「よく考えればわかること」を、
しっかりやっておくのはとても大事なことだ。
しかし、それがわかっているだけでは全然足りない。
ナマモノの人間がやっていくのが仕事で、
相手にしているのもナマモノの人間たちである。

おもしろい場所に人は集まるし、
しっかりしてそうなプランを人は信じようとするし、
儲かりそうなところに注目が寄せられるし、
育ちそうな人びとに応援がついてくる。
そして、たのしそうにやってないと呼吸が止まる。

一年前にも、一年後のことを考えていた。
一年前に考えていたことは、とてもうまく動いてくれた。
スポーツで例えるなら、チームづくりに関わることが
いちばん大事な課題だと思っていたけれど、
それを進めるには、運の要素がとても多い。
そして、あせってはいけないと覚悟もしていたので、
平熱のままで進む一年後を想像していた。
しかし、ありがたいことに運はよかったし、
ぼくらはある意味で魅力的な動きもできていた。
あせらなくとも、ちゃんとメンバーはそろってきた。
前からいる乗組員たちは、強さを増しているし、
新しく加わった乗組員は、新鮮な目で前を見て
「夢に手足を」つけられる人たちだ。

このチームが、苗木くらいまで伸びてきた新事業を、
林や森につくりあげていく、それが次の1年だろう。
具体的なあれこれをちゃんと言えないままだけれど、
ここからの1年で、おいおい見えてくると思うよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
日記に書くようなことを、そのままここに書いてしまった。
糸井重里

主に、じぶんに向けて書きます。

はじめなきゃ、はじまらない。
おもしろいだとか、ノッてきただとか、
そういう快感は、はじめる前にはありえない。
いやでもなんでも、はじめたら、なにかがはじまる。
つまり、まずは「はじめなきゃなにも」である。

はじめるためには、どういうときがいいか。
無我夢中ではじめてしまって、
すぐに頭を打って中止ということもあるだろう。
はじめるにはときというものがある。
急いでいいことなど、なにもない。
上の5行は、実は、「よくあるまちがい」である。
これを、先に考えすぎると、いつまでも走り出せない。

いつはじめるかについての、その「いつ」が、
いまではないとしても、
それでも、いまできることがあるはずだ。
さらにいえば、いまできることがなんなのかを、
探りはじめることなら、いまからはじめられる。
タイミングを見ているという場合でも、
いまできることはちゃんとある。

「それはなんなのだ?」ということを考える。
「それがなんになるのだ?」についても考える。
まず風呂に入ろうでも、机の上を整理しようでもない。
環境を整えて、そこから気持ちよくはじめる
なんてことは、やっちゃいけない。
「はじめるの、はじめは、考えるである」。

歩きながら考えるのなら、いま歩きだすことだ。
紙とペンを目の前に置くのは、とてもいいことだ。
平気で、まちがったことを考えはじめればいい。 
「いまでしょ!」の「いま」は、
「いまごろ」じゃなく、ほんとの「いま」だ。
利口ぶるな、アホのまま、アホの考えを「いま」、だ。

どれをはじめるのか、それだけを選んで、
いま、はじめよう。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
軽くはじめて、しつこくねばって、気持ちよく続けよう。
糸井重里

結果が、最初の思惑通りにならなくても、
そこで過ごした時間は確実に存在する。
そして最後に意味をもつのは、
結果ではなく、
過ごしてしまった、かけがえのないその時間である。
星野道夫

人間はべつに誰からたのまれなくても、いわば自分の好きで、いろんな目標を立てるが、ほんとうをいうと、その目標が到達されるかどうかは、真の問題ではないのではないか。ただそういう生の構造のなかで歩いていることそのことが必要なのではないだろうか。
(『生きがいについて』神谷美恵子、p.28)

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)

地域エキスパートになるための4つの問い

茨城県県北生涯学習センターで2020年1月〜3月に開催される「県北を発信しよう!地域エキスパート養成講座~出会い・対話篇~」の進め方をコーディネーターとして考えています。
指定事業 - 茨城県県北生涯学習センターホームページ

講座の場を、講師から参加者への一方的な上位下逹的情報伝達の場にしない。
(『「〜しなさい」と言わない教育』平井雷太・加藤哲夫、p.172)

「~しなさい」と言わない教育

そのために、以下の4つの問いを講師も参加者もまずは自分で考えて言葉にし、その言葉を持ち寄り、みんなで考えるような組み立てにしていくのがいいかな?

(1) あなたはなぜ地域に関わろうと思っているのですか?
(2) あなたはこれまで地域で何をやってきましたか?
(3) あなたは県北地域がどうなっていくといいな、と思っていますか?
(4) あなたはそのために地域で何ができそうですか?

KJ法のW型問題解決モデルでいうと、(1)が問題提起、(2)が現状把握、(3)が本質追求と構想計画、(4)が具体策と手順化ということになるのかな?

W型問題解決モデル
W型問題解決モデル

この4つの問いをベースに講座全体を組み立てていこうと思っています。

生きたノウハウは、一緒に仕事をすることで開示され、学べる

本づくり協会会報誌BOOK ARTS AND CRAFTS VOL.4の特集「『本をつくる』を、つくる」の制作に本づくり協会出版部の一員として参加しました。
misuzudo.shop13.makeshop.jp
その「編集後記」を本づく協会のメールマガジンで制作メンバーでリレー形式で書いています。
私の番が回ってきたので、以下のような文章を送りました。

会報誌『Book Arts and Crafts vol.4』の巻頭特集「『本をつくる』を、つくる」では、ライターとして取材・原稿執筆を担当しました。
私の場合、本づくりは独学です。一人で企画・編集・原稿執筆・編集・制作・発行までやってきたので、なんとなく自分のやり方に自信が持てずにいます。出版部会で会報誌の特集を担当するという話が出た時に参加しようと思ったのは、商業出版をされている方の本づくりはどんな形でなされているのかを体感するチャンスだと思ったからでした。
2/28の特集制作チームのキックオフミーティングから企画がスタートし、取材、テープ起こし、原稿作成、校正と6月末の入稿までタイトなスケジュールで制作が進行していきました。
一番驚いたのは、書き上げた原稿を確認していただいた永岡綾さんや山口桂子さんの校正の量と質でした。
これがプロの仕事か!と自分の中途半端さに落ち込むこともありました。
でも、なんとか無事自分の務めを果たせ、素晴らしい特集が完成してホッとしています。
生きたノウハウは、一緒に仕事をすることで開示され、学べる。
そのことを体感した4ヶ月間でした。