ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

一緒に深めていける仲間を育てていくには

明日の”図解を作りながら考えを深める会”の前に前回の会で語り合ったことを文章化しておこう。


お互いを開いてつながり合う

まず、まじめな話をすることに照れず、深く話し合えたという感じが持てることがポイントでは?すなわち、深い話ができるということが大切。

職業や肩書きよりもっと深いところを共有する。自分たちが何でつながっているのかを問い続ける。すなわち、お互いを開き、つながりの中身を問い続ける。

そうして、心が通じたという感覚が持てるかどうかが大切だ。

自分は深まっていってつながるという感じが好きなのかもしれない。
自分より経験のある優れた人とのつながり方が難しい。
感覚的に「いいな」と覆う人にアプローチする勇気を持ちたい。
深い話をすることでつながり合うだけではない。
深く話さなくても、一緒に何かをするのが楽しい人もいる。
感覚レベルの会話、コミュニケーションというのもある。
すなわち、感覚の交わし合いが楽しいケースもある。
どんな時間を過ごしたら「仲間」になるんだろう?
共通の(あるいは共感できる)体験をしていると仲間になりやすいのでは?
つまり、お互いを開いて感覚や思いを共有し、深くつながり合うことで仲間が育っていくのでは?

お互いのよさが出てくる

お互いを開いてつながり合う中で互いの持ち味を(再)発見できるとよい。得意技がわかりやすくなるような環境。
つまり、お互いのよさを見つけ合える環境がいい。

自由と心地よさを大切に

お互いを開くためには、自由と心地よさが大切だ。
参加する目的はひとそれぞれで統一を供せ右することはできない。枠を作って囲おうとしないことが大切。すなわち、無理にまとめない。
出入りや濃淡は各のタイミングという認識で、柔軟に臨機応変に集まったり離れたりする。自由に出入りできる集まりでいることが大切。
続けることが目的でなく楽しいから続いているという感覚がいい。厚すぎる、濃すぎる関係は時に疲れる。自分であること、共にあることの両立を目指したい。すなわち、ほどほどの心地いいつながりを保つこと。
依存的なつながりにならない(なりすぎない)ようにしたい。
つまり、自由と心地よさを大切にし合えることが大切だ。

軸を持ちつつ全体で動く

アメンバーはいる。でも流動的に変わる、というのがいい。でも、多少のストレッチは必要。嫌な無理はしない範囲で。
つまり、コアメンバーも参加メンバーも自ら貢献する姿勢を持つことが大切だ。

ポコポコと実践される

仲間内でいろんな企画が立ち上がり実施されるといい。

関係性と成果への貢献がエネルギーに

モチベーションは、関係性の中での貢献と成果への貢献かな?

安心のベースをつくる

安心のベースを作るために必要なことは何だろう?

求心力は?

コミュニティの求心力となるものは、人?それともテーマ?

個の追求でつながる

1人の人が心から追求したいテーマがあれば、場ができるのでは?まずは、1人1人声を発信することから始まる(生まれる)のでは?すなわち、1人1人が思いを追求し、発信していくことから始まる。
自分が追求したいテーマに必要は人は自然に引き寄せる。
いくつかのチーム、コミュニティに平行して関わっていく。
自分はどんな仲間、つながりがほしいか合っているのかイメージする。
つながりの量と質のバランスを取る。
つまり、自分の思いを追求しつつ、人とつながることが大切なのだ。

1年前の自分を思い出させてくれるウェブサービス「Timehop」

1年前の今日、自分は何を考え何をしていたのかを思い出させてくれるウェブサービスがある。「Timehop」だ。
http://timehop.com/
Timehopに登録すると、1年前の今日のソーシャルメディアFacebookTwitterFoursquareInstagram)への投稿を毎朝まとめてメールで届けてくれる。

時間はらせん状に経過していく。
1年前畑で穫れていた野菜は、今年も同じように育ち、自然も同じように巡っている。
その一方で自分のやっていること、考えていることは、変わっていく。
1年前の投稿を毎朝観ることは、自分を1年前の視点から観ることでもあると思う。
今、トマティスの言葉のKJ法によるまとめをやり直しているのだが、その過程で「全体と共に対象が見え、対象から自分が見えているとき、アイデンティティは外にあり、客観的でいられる」という表札が付いた。
時の流れ全体の中の1年前を見ることは1年前の視点から今を見ることで、それによって自分を客観視できるのかな?と思う。
1年前は、インタビューの教室から帰ってきた直後、母の容態が悪化し、入院している病院をたびたび訪れていた。
インタビューの教室やその後”のワークショップって何だろう?”合宿に参加したメンバーとのやりとりとそこから広がった縁が「図解を作りながら考えを深める会」につながっている。
1年後の自分は、何を考え何をしているんだろう?

多段ピックアップの効用

KJ法では、原則として出されたラベルを切り捨てることはしません。
しかし、ラベルの枚数とまとめにかかる時間はほぼ正比例するので、まとめにかけられる時間に応じて元ラベルの枚数を絞る必要があります。
※私の今のだいたいの感覚では、BS→図解化に元ラベル20枚だと2時間、30枚だと3時間、40枚だと4時間という感じです。
多段ピックアップでは、切り捨てるのではなく拾い上げるという感覚でラベルを選んでいきます。
多段ピックアップには時間の節約だけではなく、ラベルの精選という効果があると感じています。
自分の中から出てきたラベルでも、頭のレベルのラベルから肚の底から出たラベルまでいろんなラベルがあります。
多段ピックアップすることで、自然とより深い、自分の心にぴったりくるラベルが精選され、くっきりしてくるという感覚があります。
多段ピックアップのやり方は、以下の図の通りです。

KJ法の”花火”を学ぶ会01

昨日、高円寺の更新文化会館で「KJ法の”花火”を学ぶ会」をやりました。
一人でKJ法の研修会をやるのは初めて。
予定していたタイムテーブルは以下の通りですが、グループ花火の時間が大幅に延びてしまいました。タイムマネジメントが課題ですね。(^^;

9:45 開場
10:00 チェックイン、今日の作業の説明
10:30〜13:30頃 グループ花火
その場に集った人にとって、切実かつほどよい大きさのテーマをみなで決め、意見を出し合い、図解にまとめていきます。
(お昼休憩)
14:30〜17:30頃 個人花火
今自分にとって、切実かつほどよい大きさのテーマを決め、1人で図解を作り上げます。
18:00頃 終了

でも、参加者のみなさんにとても喜んでいただけたようです。
以下が感想です。

・最初のラベル集めと空間配置をていねいにしなければ、図解化で苦労しそう。
・集中力が大変。1泊コースでやってみたい。
・「似ている」で囲むは大発見。ストーリーでまとめてしまう自分のくせに気づいた。
・少ない枚数で何度も練習したいと思います。何枚が適切か?
⇒20〜24枚くらいでやるのがいいと思います。
・1時間30分で連続型のKJ法実習は可能か?
⇒可能です。KJ法概論→グループ花火のネット作成まで→図解化→個人花火(オプションで多段ピックアップと衆目評価)という流れかな?複数グループに分かれてやる場合には事前にファシリテーターの養成が必要です。
・なんとなくだが、最初のテーマ設定がつかめそうです。
・良い表札はとても心地よい。「これ!」という感じ。
・(個人花火で)どう関わってきたかを振り返れたが、あと20枚あったら新たな方向性が見出せたかも。
・グループ→個人作業は必要ですね。一人でやってみることでやり方が明確になります。
iPadでやるよりも(作りやすい)

・最初のチェックインの1人の持ち時間は指定しても良かった。
・紙ポの文字はもう少し大きくても良いかも。
・スケジュールはみんなに見えるように掲示しても良いかも。
・ブレイクの時間は適度に入れてほしいな〜。
・壁に貼り出して、(紙を)みんなで見えるような状態でワークをしたかったな〜。
・ていねいにネバリ強くでもくどくないのが良かった。
・絵とかイラストを入れて紙の雰囲気を出してもおもしろいかも。
・言葉が良かったなぁ〜。浮き出てくるとか。
・(個人花火で)配置がこれで良いか?わかるまで時間がかかった。
・1人の作業をみんなでやる方が良いかも。

・表札を考える時の"中身が浮かび上がってくるように"という説明がよかったです。
・最初からグループのみの設計でもよかったのでは?
・テーマ設定が具体的かつ切実でよかったと思います。
・最初のチェックインは時間をはかってもよかったのでは?

・自分が"天然"だということを痛感したGroupW。Frとしての自己一致でした。
KJ法の持つワクワク感を思い出すことができました。
・丁寧なインストラクションには好感が持てましたが、時間管理は次回に。
・大学院の頃の自分を思い出した。個人的には心のリハビリができました。
・テーマ設定の大切さをワークショップ同様、感じることができました。感謝。
・A3版にラベル24枚は適正なバランスだった。これはムナさんの経験知。
・24枚書いてA3の紙にどう置いていいか一瞬途方にくれたが、できた。
・1人でやるKJ法!初!いいものだと思います。伝授下さり感謝。
・シンボルの付け方や関係マークは熟達できなかったので、また今度。

・記録としても役立つと思う。
・プロセスに参加でき、それがだんだんできあがる感がよい。
・参加者全員が参加できるところがよい。
・TOOLとして十分に使えるとすごく思います。

感想を花火でまとめてみました。

図解を作りながら考えを深める会03

私の東京でのホームグラウンド高円寺で、”図解を作りながら考えを深める会”の第3回をやった。
会場は、高円寺書林。5月に初めて訪れて、その居心地のよさがすっかり気に入って、ここでなら”図解を作りながら考えを深める会”がやれる!と思って、6月から定期開催することにした。
今までは縁ある人たちの要望に応える形で図解を作りながら考えを深める会をやってきた。
場所を決めて、不特定多数の友達に呼びかけて会をやるのは初めてだ。
12時半頃高円寺書林に着き、お店の方に挨拶をし、カレーランチを食べ、皆を待つ。

今回の参加者は、今まで参加したワークショップで出会った3人。私はみんなを知っているが、初対面の人もいた。
「今どんな感じか?」「最近関心を持っていること」「今回の会への期待」を皆でシェアし合うところから会を始めた。
ワークショップや場づくりに関心を持ち、実践もしているというところが今回の参加者の共通点。
次に、KJ法と今回図解を作るのに使う花火という手法についての説明を実例を交えながらやった。
そして、いよいよテーマ決め。
例として説明した2回目の会の「好きなことをして暮らし続けていくには?」というテーマにまず皆が引きつけられたようだ。
コミュニティ、場づくり等々、いろんなキーワードが出てくる。
いろいろと意見を出し合った結果、今回は「一緒に深めていける仲間を育てていくには?」というテーマにしようということになり、A3の紙の中央にそのテーマを書いた。
※この会では、”今ここ”から出発するということを大切にしているため、テーマもその場で決める。
テーマ決めの際に中身の話も結構したので、その中でラベルとして残しておきたいものを書くところからスタートした。
ひとりが自分のラベルを読みあげながらA3の紙の上に出し、似たものがあればそれに付け札するという形でラベルを順番に出していき、同質性と関係性を感じながら落ち着く配置にしていく。
ブレインストーミング→ラベル化→配置という作業を3回ほど繰り返した。
ここを出し切った!と感じるところまでやるのが一番目のキモだ。
配置したラベルを固定し、次は図解化の行程。
似ているものを囲み、それに表札という要約文をつけていく。
表札を付けることで、「要するに」と自然に本質を深く考えていくことになる。
2段目の表札を付け終わったところで30分の時間オーバー。
西尾君が帰る時間になってしまった。
急かさずにかつ時間内にやるというのが、やはり課題だ。
残った2人は、ある程度時間に余裕があるようだったので、私が囲み線と表札を清書している間、お店の中を見てもらった。
そして、表札をもっと短くしたフレーズ(シンボルマーク)を付け、お互いのグループの関係を記号で表し、4注記を記入し、図解は完成した。

時間はオーバーしたものの、丁寧にプロセスを積み上げたため、参加したみなさんにとても納得してもらえる図解ができた。
図解を作りながら考えを深める会は、当面第3土曜日に高円寺書林で開催する予定ですので、興味がある方はお問い合わせください。(9月は出産のため、やりません)

さりげない空間探検隊

6/1〜4に2年ぶりに札幌を訪ねた。
札幌は8年前まで5年間暮らした街。
私にとっての札幌とは円山で、ほとんど円山で暮らしていた。
西28丁目駅の近くのわがアパート”北町長屋”を出て、神社小路通りを南下し、北3条のツタヤで立ち読みし、すぎはらで買い物し、北海道神宮にお詣りし、円山公園を抜けて裏参道を歩き、桜並木の道を南下して左に折れると”森彦”がある。

森彦でゆっくりと時間を過ごし、円山市場の通りを北上し、地蔵商店や八百屋さんで買い物をして帰る。
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/mediacraft/saijiki/Sapporo/Best04.html
または、あれこれ屋で一杯やって帰る。
http://d.hatena.ne.jp/munakata_kenken/20101023/1287777599

休日は、ほとんどそんな過ごし方だった。

札幌に移り住んだ1999年の冬、友達の義理の弟が裏参道にいるということで会ったのが、建築家の植田さんだ。
初めて会った時に「街にとってさりげない空間が大切だよね」という話で盛り上がり、植田さんがやっていた円山裏参道のまちづくりに加わることになった。

当時、盛り上がった流れで、街にとってさりげない空間を残し、それを活かして街を育てていくという趣旨でハウジング&コミュニティ財団に「さりげない空間探検隊」という企画で助成金の応募をしたことがある。(残念ながら不採用だった)
その時の語り合いの記録を久しぶりに読み返した。
話しながらアウトラインプロセッサに打ち込み、まとめたコンセプトが以下の7つだ。

<残したい空間の定義と評価>
 残されるべき空間(日常のさりげない空間)を定義し、評価する方法を探る。

<地を発見し、育てる>
 柄を読み取る地を発見し、育てることが大切。

<開発しない根拠と論理を構築>
 残されるべき空間を残す論理を構築できるか。

<時を降り積もらせる方法>
 いかに時を降り積もらせることができるか。

<再生のダイナミズム>
 古き良きものに新しいものが入り込み、街が再生する。

<変わらない環境をとらえる方法>
 新しいものの受け皿としての古き環境を面としてとらえる手法。

<歩いて楽しい街>
 歩いて楽しい街がいい。

札幌滞在2日目の朝、かつて暮らしていた北町長屋まで散歩したら、目の前の”わらしっこ公園”が整備され、普通の公園になっていた。

盆踊りの中心となっていた大きな木が切られ、子供たちがそり遊びをしていた小山がならされ、そこに遊具が置かれていた。


友人に聞いたところ、カラスがたくさんいて危ないので木を切ってしまったそうだ。
北町長屋のかつて私が暮らしていた部屋に住んでいるその友人は、風情のある公園だったのに、変わってしまって残念だと嘆いていた。
安全や効率化を求めることで切り捨てられてしまうもの、それこそが街の居心地を支えている大切なものなんだと思う。
それを大切にする根拠と論理を明らかにしたいという、当時の認識は、やはり大切だったんだと改めて思った。

円山裏参道でのまちづくりは、道路の拡幅を目指す札幌市が雇ったまちづくりコンサルにいいように使われる形で後味の悪い終わり方をしてしまった。
でも、あの時に話していたことはやはり大切なことであり、円山裏参道で私たちが取り組んでいた活動はとても意味のあるものだったと思う。

3年ぶりにあれこれ屋で共に飲んだ植田さんとあの当時の取り組みをきちんと記録に残し、"さりげない空間探検隊"の活動をまた復活させようということになった。
まずはFacebook上のグループでのやりとりから始めるつもりだ。