ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴りたいと思います。

物語から現実が予測できる

『全脳思考』がおもしろかったので、その中で紹介されていた『お金と正義』を読んだ。

お金と正義(上) (PHP文庫)

お金と正義(上) (PHP文庫)

お金と正義(下) (PHP文庫)

お金と正義(下) (PHP文庫)

この本自体も、エンターテインメントとしておもしろかったのだが、下巻の最後の「著者による解説ーなぜ物語から現実が予測できるのか」が特におもしろかった。
物語は、「旅立ち」「冒険」「帰還」の3つのエピソードで構成されており、この三部構成中で主人公が最大の危機に遭う時間までが計算されているという。
そして、そのパターンは、現実世界の出来事にも当てはまるというところが、とてもおもしろい。
「衝突」があるのは、「登場人物を人間的に成長させなければいけない」ためで、現実世界でも「衝突や危機をきっかけに、自分の課題を見出し、その課題に取り組むことで成長する」という。

この際、相手を非難するばかりで何も気づかない人は、次のステージに進むための課題に取り組むことができませんので、いつまでたっても物語を終えることができません。つまり、その時点で人生は停滞し、繰り返し同じ問題(テーマを問われること)が起こることになります。逆に、無意識に繰り広げられるドラマを理解し、根底に横たわっているテーマに敏感な人は、課題を次々とクリアしていきますので、人生を数段とびで進んでいくことになります。

ここに、「人はなかなか変わらない」という現象の本質があるように思う。
この物語のパターンが現実の人生に影響を与えるのは、「同じ話を繰り返し語り続けることで、大脳辺縁系に情動や衝動にかかわる神経回路が形作られ、人間は緊急事態には、大脳辺縁系の命じるままに動いてしまうから」だという。こうして人は「いままで語り継がれてきた物語に基づいて、無意識に行動してしまう」そうだ。

現実を物語に照らし合わせて考えることにより、あなたは行く手を阻む敵にすら、感謝ができるようになります。しかも現実の裏で動いている物語を理解し、それに働きかけますと、現実が変わり始めるのです。
物語で、英雄は敵に感謝することはありません。ですから主人公は戦い続けなければなりませんが、現実では、敵に感謝することで物語を途中で終わりにすることができます。

「敵に感謝することで物語を終わりにすることができる」という言葉は、深いなぁと思う。
「日本の歴史は、70年周期で一巡する」そうで、「現在は70年にわたる歴史サイクルの最終段階にあり、これは2015年あたりまで続く」という。「これから10年弱の時間をかけて、いままで築き上げた価値観が急速に崩れ落ちていく」そうだ。(この本が書かれたのは、2005年)

現在、すなわち70年の歴史サイクルの最終段階は、2015年までに、次の時代に相応しい価値観を築き上げていかなければならない大切な時期です。私たちが新時代の価値観を創造しなければー帝国主義から民主主義に一夜で変わったようにーそこに強制的に着地させられることになります。
通常、創造にいたるためには、破壊が必要といわれます。しかし、パターンを知ってしまえば、破壊は必要ではありません。パターンを知らなければ、創造するためには旧来の価値観の破壊が必要ですが、パターンを知ってしまった後は、単に手放すだけでいいのです。いま必要な作業は、いままでは役立ったけれども次世代では必要にならない価値観を手放し、次世代でも必要になる普遍的な価値観は継承し、そして新たに必要になる価値観を創造することです。

メディアクラフトの活動を通して、「新たに必要になる価値観の創造」をしたいと思う。