ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

大切な町の記憶を次世代につなげる

日立市は、明治時代の末に日立鉱山での銅の採鉱が本格的に始まったことを機に発展した鉱工業都市です。
しかし、銅の精錬時に出る二酸化硫黄による煙害のため、田畑は荒れ、山林ははげ山となりました。
この煙害は、世界一高い煙突を立て、煙を上空に拡散させることで解決しました。
日立市は、公害問題を企業と住民が協力して解決したという、世界でも稀な物語を持った町なのです。
 
この誇るべき物語は、新田次郎が『ある町の高い煙突』として小説化し、2018年には映画化されたことで、今では広く市民に再認識されたことだと思います。
 
この大切な町の記憶を子どもたちに伝え、子どもたちが自分たちが生まれ育った町を誇りを持って語れるようにしよう!ということで、うのしまヴィラの原田さんを発起人として大煙突紙芝居をつくるプロジェクトが昨年の春から始動しました。
私もその志に共感し、資料の下調べや制作チームとの調整のお手伝いをしています。
 
シナリオは、日立市高原出身の児童文学者、佐々木ひとみさんにお願いしました。
紙芝居は、いよいよ3月に完成し、日立市内の全小学校と図書館に寄贈されます。
 
紙芝居を聴いた子どもたちが、ひたちの町の大切な記憶を思い出し、その記憶をベースにワクワクする町の未来を描いていってくれることを願っています。