ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

大煙突マップをどう次につなげていくか?

昨日、音訳の勉強会の後、クッチーナノルドの森さんに「大煙突マップ」を渡しに行ったら、お店はお休みだった。
ノルドの前にあるコトコト工房が開いていたので、久しぶりに訪問し西島さん夫妻に「大煙突マップ」を差し上げた。
西島さん夫妻は、同じ町内に暮らす家具職人と椅子職人のユニット。
奥さんは、生まれも育ちも日立で、大煙突が倒れた時も鮮明に記憶していることもあり、とても面白がってくれた。
 
大煙突マップは、3月末に完成し、4月には3000部印刷されて、さくら祭り等で配布された。
制作終盤に私自身が調子を崩して失速して、なんとか作り上げたという感じで、今ひとつ積極的に宣伝したり、配ったりしていない。
しかし、こんなふうに面白がってくれる姿を見ると、やっぱり作ってよかったなと思った。
 
大煙突マップは、元々作って終わりにするのではなく、これをベースにワクワクするひたちの未来へとつなげていくという構想の元につくったものだ。
今の時点で「大煙突マップをどう次につなげていくか?」というテーマで図解を作りながら考えをまとめ、次への一歩を見出していこう。
 
Twitterで「#大煙突マップ」というハッシュタグをつけ、投稿してきた。
https://twilog.org/munaken/hashtags-大煙突マップ
その中から元ラベル候補を以下ピックアップしていく。
 

  • 思い出すことで豊かな記憶がつくられ、その記憶をベースに今を豊かに生き、ワクワクする未来を創造できる。
  • かみね公園のツツジ園も元々ツツジの山だった神峰山からの連続としてとらえるとおもしろい。
  • 「ああすればいい、こうすればいい、は言えなくても、未来から見て「あきらめなかった」人間にこころからなりたいと思う」(糸井重里
  • このマップを手に行政と市民、企業がお互いの立場を離れ、フラットな関係で一緒にまちあるきしてひたちの大切な記憶を思い出し、その上で一緒に町のワクワクする未来を考えるのに使ってほしい。
  • 現在版、過去版、未来版のマップを作りながら、町の記憶を思い出し、ワクワクする未来を描く。
  • マップづくりのプロセスとポイントをまとめた小冊子をつくる。
  • 「町の大切な記憶を思い出し、未来を描くワークショップとマップづくり」 の手法を1つのパッケージにする。
  • 共楽館界隈で忍者ラリーをやったら楽しそう!
  • 大煙突マップの制作と大煙突マップを使ったまちあるきコースの考案というのは、いろんな場所や活動を空間的・時間的につなぐ試み。
  • 「10年後のひたちのワクワクする未来を描く」というテーマでいろんな場で、いろんな人と図解を作りながら考えを深める会をやってみたい。
  • 豊かな記憶を育てる。その記憶に支えられて、地に足のついた今を自信を持って生き、ワクワクする未来へのヴィジョンが持てるのではないだろうか?
  • まずは自分の基盤となる豊かな記憶を育てることが大切なんじゃないかな?
  • 吉田正音楽記念館をスタートに昭和の風景を訪ねるコースも作れるんじゃないかな?
  • 「聴き取れるもののみ表現できる」マップに表現するには、まず自分がその当時の様子をリアルに感じることが肝心。
  • 共楽館界隈をどう活用するかを考えていきたい。
  • 「観光とは、その町の価値(光)を観察し読み取る(観)もの(前野先生)
  • 対話の中から未来へのストーリーを考える。
  • 大煙突と鉱山電車についての展示を日立駅の自由通路と展望広場を使ってやったらおもしろいのでは?
  • 「自分が好きな場所・コト・人を、身近な場所にどれぐらい持っているか?どれぐらいそれに気づいているか? が、なにより大切な気がしてきた」(『いま、地方で生きるということ』西村佳哲、p.157)
  • 「自分の場所に誇りを持つ人間が好きだ」(隈研吾
  • 大煙突マッププロジェクトの1番の目的は、ひたちに誇りを持つ人間が一人でも増えるように、「感じ、思い、考える」機会を提供すること。
  • 自分の町が好きな人が多い町に自然と人は集まるのでは?
  • まずはたくさんの人がひたちの町が好きになり、ひたちの町で楽しめるようになるといい。
  • 大煙突マップは、ひたちの町を知り楽しむためのツールとして使ってほしい。
  • まちあるきルートとそれをまとめたパンフレットは、マップを使って「感じ、思い、考える」ためのまちあるきをする手助けとして作成する。
  • ひたちの町を深く感じることで、自分がひたちの町で何を大切だと感じているかが思いとして現れる。その思いを言語化して共有する。
  • その大切なものを守り、育てて、ひたちの町をワクワクする町とする未来をリアルに思い描く。
  • 最後にどうすればその未来が実現できるかを考える。
  • 町を歩いて町を身体で感じ、一緒に食事をしてリラックスする中で出る思いや考えを共有し、まとめていく。そのプロセスを経ることで、自然な無理のない形で町の未来を感じ、思い、考えることができるのでは?
  • 「今までは何が正しいか、正しくないかを議論し続けてきたが、これからは何が大切かを議論しあっていくべきではないか。大切なものは人それぞれ違うだろうが、その意見を出し合って、未来についてディスカッションしていくことが重要だ」(内山節)
  • 鉱山の廃鉱跡を観光地化するというのを日立鉱山でもできるのでは?
  • 久原房之助は、台湾でも日立鉱山でと同じように「一山一家」の理想のまちづくりをやった。現在その跡を世界遺産に登録する取り組みが進められている。
  • 過去の記憶と将来ヴィジョンは同じ場所で作られる。この2つは、今の自分の記憶と知識の断片を編集して作られた想像物。石井ゆかりさんの文章で読んだこのメッセージが大きなヒントになりそう。過去も未来も、今自分が編集して作っているものなんですよね。
  • 大雄院の銅精錬工場は、現在はレアメタルのリサイクル工場になっているのだけれど、どれだけの日立市民がその事実を知っているのだろうか?小型家電のリサイクルを始めたのも、日立市が最初だそうです。
  • 銅鉱山の煙害問題を解決した稀有の歴史を持つ日立は、本来は環境先進都市であるべき。そのDNAを思い出し、未来へとつなげていくことが、日立市の個性を形作っていくのではないだろうか?
  • 「記憶の目的はたんに過ぎたことを記録することではなく、私たちが未来へと前進できるようにすることでもある」(『あなたの脳のはなし』デヴィッド・イーグルマン 早川書房より)
  • 記憶と未来についての想像は、同じ場所で行われている。未来のヴィジョンは、過去の記憶を元に組み立てるしかない。過去の記憶も未来のヴィジョンも、現在頭の中にある過去の記憶の断片を組み合わせて作られたものという意味では同じ。ここに過去を振り返る意味を説明する際のキーポイントがあるように思う。この辺りをうまく説明できれば、大煙突マップを片手にまちあるきをする意味が伝わるのでは?と感じている。
  • 日立市は西の山の銅山から始まり、東の海に向かって町が発展していった。元々の町だった本山は自然に帰りつつあり、大雄院は工場の敷地になり、現在は海に沿って南北に町が広がっています。かみね公園の展望台は、そのすべてを感じられる場所です。
  • かつて日本有数の芝居小屋であった、国の有形文化財である共楽館。ここを向かいの斯道館と一体で文化施設として市民が活用する未来を描いてみたい。
  • この前の鉱山電車の軌道跡をたどってのまちあるきで日立駅から共楽館までかつてあったルートが実感できました。共楽館から大雄院通りを通ってかみね公園までのルートもつなぎ、日立駅から周遊するような感じで歩いて楽しめるようになったら、素敵だろうな!
  • 「居場所、とりわけ、高齢者の居場所とは? 何も言わなくても昔の思い出が共有できる仲間がいること、だけでなく、その存在に敬意を抱き、経験や知恵を受け継ぎたい、教えてくれ、と強く願う世代の離れた存在があること、その存在と場を共有できること、なのかもしれない」(六車由実
  • 「ひたちのいいとこ」を図解化することで見えてくるものはある。しかし、図解化するだけでは物事は動かない。次の一歩が見え、多くの人が歩み出すように促す何かを「大煙突未来マップ」では探してみます。
  • 「このワークショップは、まちを歩く→まちの魅力や課題を発見→地図に記録→協議・共有→新しい施設やまちから生まれる体験を創造→協議・共有→発表、という流れをグループ単位で行った」
  • 「今や知らないお店やイベント情報はウェブマガジンやSNSが教えてくれる。しかし、自分の関心のある場所もそうでないところもあわせて俯瞰して、少しずつ自分の地図を描き足していくような楽しみはもう損なわれてしまった」(堀部篤史)マップの可能性。
  • 「向こう岸に渡りたいというイメージがあるからこそ、舟をつくるための木を集められるわけでしょう。向こう岸の景色がたのしみにできると、地味な仕事のひとつひとつが、おもしろいんですよね」(糸井重里
  • 「この先にどういう景色が見たいのか」(糸井重里)ということを共に描きイメージできた仲間となら、一緒に「根」を育てていけるということなのだろう。
  • 「未来がどうなるかを考える=フォアキャスト」ではなく、「未来がどうあって欲しいかを決めて、そこから何をするかを考える=バックキャスト」が今切実に必要なんだと思う。
  • 「よい未来からの視点で、いまを見るという練習」がほんと必要だと思う。ワクワクする未来を想像し、そこから現在を見て何をすべきか考える。それを大煙突マップではやってみたい。
  • 街角にその場の昔の写真を飾り、昔と今を重ねて時の積み重なりを感じられるようにしたらおもしろいのでは?
  • 海の見えるローズガーデン。今年つくり始めたばかりではあるが、大煙突をめぐる物語が未来へと続くものとして、マップにイラストを載せるといいかも。
  • ここにトロッコ電車が走り、キャバレーナイルが店舗やギャラリーとして活用されれば、まえのうち児童公園と一体となって、とても素敵で楽しい空間になるだろうな。
  • 鉱山電車の軌道跡は、現在では駐車場と店舗になっている。ここから市民会館通りまでの間だけでも、軌道を敷き直し、トロッコ電車を走らせれられれば、すごく楽しい空間になるんじゃないかな?
  • 10年後、ひたちの町はこうありたいというヴィジョンをKJ法を使って何人かで描き、それをマップに落とした未来地図をつくってみたいな。
  • 自分を支える記憶を育てていく。町を支える記憶を育てていく。自分の記憶、そして、町の記憶を育てていくためのツールとしてのマップをつくりたい。
  • 大煙突の物語をどれだけリアルに実感できるか?マップに載せる場所でどれだけのものを感じられるか?見えていない、感じていないものは、表現できない。「聴き取れるもののみ再生できる」(トマティス博士)読み、歩くことで自分の眼の解像度を上げること。
  • マップの中に時間と空間と意味を重ねて表現することで、一枚の紙の上に物語が立ち上がるのでは?
  • 「「まちは建物だけでできているのではない。人々の想い出の蓄積がまちをつくる」「人々の記憶からふるさとの風景が消えないように。人々の心からふるさとの誇りが失われないように」記憶を仲立ちしまちを回復する作業。まちが歩んできた歴史を模型が伝える…」(風の時編集部)
  • 「デザインはプレゼントに似ている。びっくりさせつつ「こういうのが欲しかったんだ!」と言わせるのが最高。「何が欲しいですか」と聞くのは一番よろしくない」(山中俊治
  • 「日常のありふれた風景の背後にある歴史を実感したとき、その風景は厚みを持ち、懐かしいものに変わる。その懐かしい風景の上にこそ、地に足の付いた新たな歴史を加えていけるのだろう。写真は、歴史を実感するための強力なメディアだと思う」7年前の投稿。マップもそう。
  • 「伝統のほうは、おれたちが、なんとかして古くからつづいている伝統を見つけだそう、回復しようと努力して、意識的に、自覚して信じたときに、はじめてあらわれてくるものなんだ。そのときに、伝統は大きな力を発揮してくる」(『兄小林秀雄との対話』p.94)
  • すべての子どもたちが日立に生まれたことを誇りに思えるような大煙突マップをつくりたい。日立にはそれだけの誇るべき歴史がある。
  • 「「ディープなファンだけじゃなく、一般の人にも楽しんでもらう」企画は大抵ファンからそっぽを向かれて中途半端に終わる。「ディープなファンの熱狂が一般の人にも伝わるようにする」方が筋がいい」(山中俊治)まちあるきコースを考える上で念頭におくべくこと。
  • 「記憶」と「風景」というのがマップづくりの上でのキーワード。人は記憶に支えられて生きている。そして、その記憶の大切な要素が風景。大煙突のある風景がひたちで暮らす人にとってどれだけ大切だったのか?そして、それが倒壊することで失われたものは?
  • 大煙突をめぐる物語は、「自然・地域と共存する理想鉱山都市」の実現を目指した久原房之助の物語でもある。その理想の元に煙害問題での地域住民との真摯な交渉と大煙突、共楽館等がある。日立にはその痕跡がいくつも残されている。その理想は受け継がれているか?
  • 「空想は現実の反対側にあるものではなく、空想の延長線上に現実がある」((折々のことば)590 「これからの本屋」の著者、北田博充さんのことば)
  • セメント工場のある風景は、私にとってひたちを象徴する風景だ。かつて大煙突のある風景は、多くの人にとってひたちを象徴する、大切な風景だったのだろう。風景の持つ力について考えを深めていきたい。
  • 「使命などの形で、しっかりと目標を提示すれば、そこに共鳴する「人」が自然と集まってきて、その後もうまく続く…使命や目的を掲げることは、そうした人々をその場に引き留めさせる上でも重要な要素だ」
  • 生きられる世界を表現するには、空間と時間、意味の3つの軸がある。この3つの軸を統合して、すべて表現できるマップを作りたい。
  • 大煙突マップを片手に「本来日立はどんな場所でどんな可能性があるのか」を考えられるようなまちあるきをしたい。
  • まえのうち児童公園に隣接するキャバレーナイルは、日立の町の繁栄の時代を偲ばせる建物。まったく利用されていないのは、もったいないな。
  • 大正後期の日立駅前(旭町)の常盤館の写真が素晴らしい。海に向かい海岸段丘の崖にせり出して建てられた旅館。かつて日立駅前(助川)は、旅館と別荘が立ち並ぶ避寒地で、谷崎潤一郎正宗白鳥葛西善蔵なども訪れ、助川を舞台とした小説を書いたという。
  • 大煙突マップは、単なるノスタルジーに終わらせたくないんだよな。「人は過去に規定され、未来への意志によって規定されながら現在を生きている」(『自分の中に歴史を読む』阿部謹也、p57)。日立の現在を過去から照らし出し、未来へとつながっていくマップにしたい。

 
こうして書き出してみると、量が多い。
この中から大切な要素を24枚程度セレクトして、花火図解にまとめたい。