ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

アイデンティティを外に置く

「この「アイデンティティを外に置く」というところがトマティス博士の独創性だと思います。アイデンティティというのは、普通は自分の中に確立するものだと言われ、私もずっとそう思い続けていました。ですから、博士のこの言葉を聴いたとき、初めは何のことやら……?と思いました。
「人間というのは一人では生きられない。他がある。自分のアイデンティティを中に置いたら、自分が中心となって他を見るということになる。すべてに対して良い条件でコミュニケーションをとるには、アイデンティティを外に置くことが大切、それによって他をたやすく観察できるし、自分自身をも客観的に観察することができる」と博士はおっしゃっています。

ートマティスメソッドでは、日々の繰り返しでアイデンティティを外に置くという感覚を体感できるようになるのがおもしろいですね。

「聴き取りの姿勢をとり、自然に目が落ちる1.5メートル先を静かに見つめながら、自分の身体を整えるための小さなハミングをしなさい。見つめた先のその一点が究極の集中。この状態で、自分のハミングを聴き、感じることによって集中力が高まる。すると、無限大に見えるものが拡がる」と博士はおっしゃいました。無限大にものが見えるというのは、視野が広くなるということであり、その状態を客観性がある、と言っているのです」(『耳と聲06 日々繰り返すことで身につく』日原美智子、p.7〜8)
http://ear-voice.info/06.html

この「アイデンティティを外に置く」という感覚は、コミュニケーションの上でも、トマティスメソッドを実践する上でも大きなポイントです。