ひたちで小さなメディアをつくる

居心地のいい場をつくるために”小さなメディア”がどんな役割を果たすことができるか、日々の試行錯誤を綴っています。

正解のない問題に答えを見出していくのがKJ法

昨日から考えていたKJ法による学びの振り返りプログラムの補足資料ができたので、こちらにも転載しておきます。

分類やアテハメでは解決しない問題に使うのがKJ法

問題には、正解がある問題とない問題があります。
学校では正解が既にあり、その正解を導き出すための問題を解くことが多い。しかし、社会に出ると、正解のない問題に多々直面します。
多くの問題は今までの経験から分類し、前例をアテハメることで済むし、その方が早い。分類やアテハメが悪いというわけではなく、それでは済まない問題があるのです。
その種の問題に直面した時は、「何に答えを出すべきなのか」を言葉にすることから始めなければいけません。問題の焦点をぴったりとするテーマに言語化し、有効と思われる方策を考え、実践して初めて前に進んでいけます。KJ法は、そういう問題を考える際に威力を発揮します。
正解のない問題に対しても、分類し、正解らしき前例をアテハメることは可能ですし、ラクです。しかし、その問題に丁寧に向き合うと分類やアテハメでは収まりきれない居心地の悪さを感じるのではないでしょうか?

心と体を先行させ、頭は後で使うことが大切

正解のない問題に対してせっかくKJ法を使っても、普段と同じように分類・アテハメの思考法でKJ法をやったのでは、意味がありません。「なるほど!」と自ら納得する方策を見出すには、頭をいったん外し、心と体でその問題に向き合うことが大切です。より納得のいく方策は、まず心と体が感じ、それを言語化するのが頭という順番で心と体と頭の全体を使うことで見出されます。
多くの場合、自分の思考の枠を超えたところに解決策はあります。自分の枠を超えるには、心と体を先行させ、頭は後追いするという流れが大切です。まずは心と体の感じる力を信頼すること。心と体が感じたものを言語化するのが頭の役目です。その流れを考える型として定式化したのがKJ法なのです。

図解を作りながら考えを深めることで次へのステップが自然と踏み出せる

KJ法の花火という手法を使えば、かなり複雑で大きな問題でも、3時間×2回、計6時間で一定の結論を出し、解決への一歩を踏み出すことができます。正解のない問題にオーダーメイドのオリジナルな答えを見出す時間として、この時間は長くはないと思いますが、いかがでしょうか?
KJ法では頭だけではなく、心と体も使って考えているので、その結論が心と体レベルにもおちています。そのため、図解ができあがった段階で自然と行動につながりやすいという効果もあります。
慣れてくれば、普段直面するような問題を考えるための図解は、3時間程度で作成できます。
そして、似たような課題に直面した際には、すでに作ってある図解を元に図解を作りながら考えることができるので、もっと短時間でできます。
さらに、図解を作った後の効果とそれによって節約できる時間も大きいです。
プロジェクトメンバーで作った図解は、灯台のようにいつもプロジェクトを照らし、常に立ち戻れる原点となります。また、プロジェクトのキックオフ時に図解を作ることで、そんな原点を作り、他の人にも説明しやすくなります。さらに、プロジェクトの成果をプロジェクトメンバーで振り返り次のステップを描くことで着実に前進していけます。
KJ法も車の運転と同じように、最初は大変でぎこちなくても、使い慣れてくれば、とても便利で遠くまで私たちを運んで行ってくれます。せっかく2日間かけて学んだKJ法をぜひ今後に活かしていってくださることを願っています。